AIの文章が「ライター1年生」の注意を守れるようになった。推敲スキルyomiyasuの前後比較
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佐野組のブログ記事「発注仕様書に活用してね!X(旧Twitter)のアイコンとヘッダーの落とし穴」は、AIが書いた記事です。Xの記事を書いたとき、最初は文章推敲のスキル「yomiyasu」をかけ忘れていました。そこで、あとからyomiyasuで本文を推敲しました。
直したのは、9つの段落の11か所です。yomiyasuに付いている検査スクリプトの点数は、推敲の前も後も98/100で、変わりませんでした。それでも、代表の佐野弘樹は前後を読み比べて「点数は前後とも98点で同じなのに、読みやすさは天と地の差」と言っています。この記事では、前後の文を並べて、何が直ったのかを紹介します。
yomiyasuとは
yomiyasuは、nanaismさんがGitHubで公開している、AIが書いた日本語を推敲するためのスキルです。READMEでは「AIが生成した日本語の不自然さを解消し、人間が読みやすく情報密度の高い日本語へ推敲するためのスキル」と紹介されています。ライセンスはMITです。
Codex、Claude Code、CursorなどのAIコーディング環境に読み込ませて使います。READMEには、7つの変換原則が書かれています。動作主をはっきりさせること、指示語を具体的な名詞に戻すこと、1文の長さと読点の数を抑えることなどです。
付属の検査スクリプトは、文章のAIっぽさを100点満点の点数にします。調べるのは、不自然な比喩や絵文字、太字と箇条書きの多さ、同じ文末の連続などです。
佐野組での使い方
佐野組では、社外の人が読む標準語の文章を書くときだけ、AIが自動でyomiyasuを使うように設定しています。対象は、プレスリリースやブログ、ホームページ、応募文などです。社内で使っているClaude CodeやGrok BuildなどのAIに入れてあるので、毎回コマンドで呼び出す必要はありません。
PRやコミット、Issue、コードのコメント、チャットには使いません。関西弁の文とXの投稿にも使いません。
点数は前も後も98点だった
Xの記事の本文を推敲の前と後で検査スクリプトにかけると、どちらも98/100でした。11か所を直しても、点数は同じです。
ところが、前後の文を読み比べると、違いははっきりしています。代表は、直ったところを「国語の先生によく言われる原理原則」だと言います。「カッコで補足しない」「1文を短くする」「接続でつなげすぎない」「主語と述語をそろえる」の4つです。
カッコで補足しない
ヘッダー画像の形式を書いた文です。推敲前は、調べた条件を文の最後にカッコで足していました。
前:表示されているヘッダー画像を調べたところ、JPEGで配信されていました(確認した2つのアカウントの場合)。
後:表示されているヘッダー画像を2つのアカウントで調べたところ、どちらもJPEGで配信されていました。
推敲後は、カッコの中身を地の文に入れています。調べたのが2つのアカウントだけという条件は、そのまま残りました。
1文を短くする
アイコンが四角く表示される例外を書いた文です。推敲前は1文が長く、何が例外なのか、文の途中まで分かりませんでした。
前:X ヘルプの「金色のチェックマークと四角形のプロフィール画像」という項目のとおり、金色のチェックマークがついた組織アカウントは例外で、アイコンが四角く表示されます。
後:金色のチェックマークがついた組織アカウントは例外です。X ヘルプの「金色のチェックマークと四角形のプロフィール画像」という項目のとおり、アイコンが四角く表示されます。
推敲後は2文に分けて、「例外です」を先に言っています。
接続でつなげすぎない
記事の最後で、測り方を説明した文です。推敲前は、「開き、」「表示して、」と動作をつないだ、読点が3つある長い1文でした。
前:ブラウザは、x.com のプロフィールページをログインしない状態のChromeで開き、画面幅320〜1920pxで表示して、ヘッダーとアイコンの位置と大きさを調べました。
後:ブラウザでは、x.com のプロフィールページをログインしない状態のChromeで開きました。画面幅320〜1920pxで表示して、ヘッダーとアイコンの位置と大きさを調べています。
推敲後は「開きました。」でいったん切って、2文にしています。2文目の文末を「調べています」にしたのは、すぐあとの文と合わせて「ました」が3回続かないようにするためです。
主語と述語をそろえる
上の例には、主語の直しも入っています。推敲前の「ブラウザは、…Chromeで開き」は、ブラウザが何かを開いたように読めます。推敲後は「ブラウザでは」にして、ブラウザで何をしたかの話だと分かるようにしました。すぐあとの文も、同じ形で直っています。
前:アプリは、iPhone 16のXアプリ(iOS)で佐野組のアカウントのプロフィール画面のスクリーンショットを撮り、元のヘッダー画像と重ねて位置を出しました。
後:アプリでは、iPhone 16のXアプリ(iOS)で佐野組のアカウントのプロフィール画面のスクリーンショットを撮り、元のヘッダー画像と重ねて位置を出しました。
誰が言っているのか分からない文も直っています。X ヘルプの内容を紹介した文です。
前:理由はモニターのサイズやブラウザの違いとされています。
後:ヘルプでは、その理由をモニターのサイズやブラウザの違いとしています。
推敲後の文では、言っているのがヘルプだと分かるようになりました。直前の文に出てくるヘルプを主語に戻しただけで、新しい情報は足していません。
そのほかの直し
4つの原則のほかにも、細かい直しがありました。たとえば、「これ」が何を指すのかを、直前の文に出てくる「PNG」に戻した箇所です。
前:PSDを開けないソフトでは、これを一番上のレイヤーに読み込んで重ねてください。
後:PSDを開けないソフトでは、このPNGを一番上のレイヤーに読み込んで重ねてください。
11か所すべての前後は、次の2枚の画像にまとめました。赤は消した文字、緑は足した文字です。
変えなかったところ
yomiyasuの手順には、意味を担っている否定は消さずに残す、という決まりがあります。「iPhone 16では上下ではなく左右が切れていました」は、ほかの解説サイトの説明を正す意味があるので、否定の形のまま残りました。
数値、リンク、ファイル名、HTMLの構造も変えていません。タイトルも推敲の対象にしなかったので、yomiyasuの一覧でAIっぽい言葉に入っている「落とし穴」は、そのまま残っています。
AIのライター力がワンランク上がった
代表は、AIが「ライター1年生が気をつけること」を守れるようになり、ライター力がワンランク上がった感じがすると言っています。
点数だけを見ると、推敲の前と後に差はありません。前後の文を並べて読むと、どこが読みやすくなったのかが分かります。
出典
- nanaism/yomiyasu(GitHub。MITライセンス。令和8年10月3日確認)
- 発注仕様書に活用してね!X(旧Twitter)のアイコンとヘッダーの落とし穴(推敲した記事)